講師より受講者の皆様へメッセージ
島田 啓三
(当センターテキスト委員長)
まだ多くの石綿含有建材が残されているなか、建築物の解体・改修工事が増大し、石綿含有建材調査者の役割・需要は一層大きくなっています。みなさんが本講習を修了し、さらに研鑽を極め、石綿粉じんによる健康被害をなくすためにご活躍されることを心より願い、期待しています。
笠井 賢一
(当センターテキスト副委員長)
人の健康を蝕む石綿への取り組みは社会の喫緊の課題となっています。今後のばく露や飛散の防止のため建築物石綿含有建材調査者は重い責任を負っていますが、その役割が果たす社会的意義は大変大きいものです。知識の向上・情報ソースの拡大など日々研鑽するきっかけになれば幸いです。
「工作物石綿事前調査講習」は芝浦工大 本橋名誉教授、古賀教授の監修にて行われます。
ごあいさつ
芝浦工業大学 名誉教授・(一社)建築研究振興協会 会長
本橋 健司
建築物石綿含有建材調査講習に加えて工作物石綿事前調査講習が開始されることとなりました。工作物石綿事前調査者が調査すべきとされる「特定工作物」は、炉設備(反応槽、加熱炉、ボイラー・圧力容器、焼却設備)、電気設備(発電設備、配電設備、変電設備、送電設備)、配管・貯蔵設備、煙突、トンネルの天井板、プラットホームの上家、遮音壁、軽量盛り土保護パネル、鉄道の駅の地下式構造部分の壁および天井板等の設備や材料が該当します。テキスト委員会は、厚生労働省の標準テキストを基本とし「特定工作物」に関する実務的知識をできるだけ盛り込むことを主眼にテキストを作成しました。テキストを用いた講習が、工作物に対する事前調査の実務に役立つことを期待しています。
本橋名誉教授
「工作物石綿事前調査講習テキスト委員長」 「工作物修了考査作成委員長」
古賀教授
「工作物石綿事前調査講習講師」 「工作物修了考査作成副委員長」
NADA(日本アスベスト調査診断協会)との協力体制
アスベスト診断士・調査者等で構成され、会員相互の資質の向上を図り、調査診断、災害時支援事業等を行うために設立された「日本アスベスト調査診断協会(NADA)」。NADAは阪神・淡路大震災や熊本地震でもボランティアで被災地のアスベスト調査を行っています。
当センターはそのようなNADAの理念・実績・活動に共感し、覚書を取り交わし、協力体制を構築しています。
本山幸嘉 メッセージ
日本アスベスト調査診断協会(NADA)理事長、当センターテキスト 副委員長
私たちは環境科学対策センターの講習の考え方に共感し協力し合っています。それは『録画の授業は行わない』『全国を縦断する講習会』、つまり対面で会話のできる授業を実践され、私たちの提唱する『資格を取るための講習会ではなく、資格取得後の調査診断実践の支援』を考えた講習会づくりを行っているからです。是非、調査者に合格され共に日本における事前調査の完全実施を目指してまいりましょう!
講師一覧
古賀 純子
(こが じゅんこ)
芝浦工業大学 建築学科 教授。建築材料の性能評価に関して研究。「アスベスト含有建築用仕上塗材の改修・除去におけるアスベストの飛散性の検証」などの論文を執筆。
工作物特別講師
島田 啓三
(しまだ けいぞう)
建設省(現国土交通省)を経て、鹿島建設株式会社に入社。同社にてアスベスト対策に関係する安全環境部、部長を務める。厚労省、環境省、国交省の講師や委員および石綿作業主任者テキスト編集委員も歴任。
笠井 賢一
(かさい けんいち)
株式会社竹中工務店で安全環境本部部長として全店のアスベスト対策に取り組む。国交省、厚労省、環境省などの検討委員会にも複数参加。建設業界への情報発信の一翼を担う。大手建築会社から省庁まで広い視座からの石綿に関する知識を持つ。
廣瀨 清豪
(ひろせ きよたけ)
株式会社大林組にてアスベスト対策責任者として現場指導、行政対応などを行う。NHK大阪放送局および大阪歴史博物館新築工事を担当。「エレベーターシャフトのアスベスト除去システム」を開発し、大林組として特許を取得する。
本山 幸嘉
(もとやま ゆきよし)
一般社団法人 日本アスベスト調査診断協会(NADA)の設立に尽力。同協会の理事長を務める。九州各県における、事前調査ならびに、東日本大震災発震後調査における実績を活かし、労働基準監督官が受講する労働大学でのアスベスト対策講師をはじめ、厚労省、国交省、環境省の石綿関連に関する検討委員や講師を多数務める。
繁田 耕一
(しげた こういち)
NADAの副理事兼、近畿ブロック長。過去に厚労省からの委託業務で石綿含有建築物の事前調査を行う中小規模事業者の能力向上支援事業「解体工事における事前調査」にて指導講師も務める。アスベスト除去工事の長年の強みを活かし「石綿除去における残渣確認の留意点」を発表し注目を浴びる。
椿本 明仁
(つばきもと あきひと)
設計会社を経営しながら、中国四国地方でNADA設立に尽力。現在はNADAの副理事兼、中国四国ブロック長。NADAの調査診断手法を全国会員に伝える要として活躍している。厚労省委託事業の指導講師のほかに、国交省、経産省のアスベスト含有建材データベース運営委員会にも参加。
小原 健二
(おはら けんじ)
NADA業務執行理事、九州ブロック長、調査診断部部長。熊本・鹿児島で多数の調査実績を持つ。過去に厚労省からの委託業務で石綿含有建築物の事前調査を行う中小規模事業者の能力向上支援事業「解体工事における事前調査」にて指導講師も務める。
林 弘行
(はやし ひろゆき)
関西で設計・建設を行う会社を営む。現在、NADAの理事を務める。豊富な石綿調査業務の実績があり、関西では官公庁・文教施設などの調査を請け負う。
脇谷 壮太朗
(わきたに そうたろう)
クボタショックの直後から、アスベストの調査分析業務の責任者として日本学術会議の関連機構会誌などにアスベストに関する論文を寄稿。法改正や分析に関する無料セミナー及び勉強会を積極的に行い、延べ300回、参加は900社・8,000名以上。各省・自治体・労働局などの行政担当者も多く参加されている。環境科学対策センター専務理事。